Coherent、レーザ溶接ソリューションを拡充

Coherentのeモビリティ製造用のARMファイバーレーザ溶接システムに、Precitecの加工ヘッドと加工監視ツールを組み込むことができるようになりました。

2022年3月8日、Coherent

オプトジェネティクス(光遺伝学)

CoherentとPrecitecは、特にeモビリティの要求の厳しい用途向けに、先進的なファイバーレーザ溶接技術をより簡単に導入できるようにしました。具体的には、Precitecの加工ヘッド、加工監視システム、リモート溶接製品などを、CoherentのHighLight ARMファイバーレーザと統合可能なコンポーネントとして提供します。

EVで盛り上がる精密レーザ溶接の需要

特にeモビリティの生産において、ますます複雑で繊細になる溶接工程にうまく対応するためには、統合的なアプローチが必要です。たとえば、缶やキャップの溶接、異種材料の接合、箔の溶接など、バッテリー製造のさまざまな工程のほか、ヘアピン(モーター固定子)の溶接バスバー溶接などのEV製造の作業が必要となります。

そこで、私たちはこの特定のニーズに対応するために、モード可変ビーム(ARM)ファイバーレーザ技術を開発しました。ARM技術は、レーザエネルギーが被加工物に照射される際の空間的、時間的な制御を可能にします。これは、薄くて熱に弱い部品などを傷つけずに溶接したり、溶接部の幅や溶け込み深さを一定に制御したりするために不可欠な機能です。精密に制御したレーザビームを、加工ヘッドによってワークピース上に集光する必要があります。また、ビームの品質を保ちつつ、希望の溶接経路に沿うようにビームを移動させることができる方法でこれを行うことが求められます。 

Coherentがレーザ溶接を包括

Coherentは、レーザ、加工ヘッド、制御ソフトウェアおよびエレクトロニクスを含む完全な溶接ソリューションを提供しています。このように、パッケージで提供することで、さまざまなパーツが連携し、必要なときに必要な量のレーザエネルギーをワークピースの適切な位置に安定的に供給することができます。しかも、ユーザがレーザの専門知識を習得して自分ですべてを設計する必要はありません。   

Coherentは、さまざまなメーカーの加工ヘッドを組み込むことができます。Precitec製品で特に優れているのは、プロセスモニタリングモジュールです。複数のプロセスパラメータをリアルタイムで連続監視することで、生産エラーを即座に検出し、その場で修正することも可能です。たとえば、Precitecは、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を利用して、溶接の溶け込みの深さを監視するセンサーを提供しています。また、プロセスセンサーはトレーサビリティのためにデータを記録します。

Coherent ARMファイバーレーザシステムとPrecitecモジュラーレーザ溶接光学系および自動加工監視ツールを組み合わせることにより、包括的で信頼性の高いソリューションとなっています。そして、それらが単一の統合ソリューションとなることで、ハードウェアの適切な組み合わせの特定、最適なプロセスパラメータの開発、機器の設置、生産の開始、長期にわたるサポートなど、プロセスのあらゆる部分を合理化して高速化することができます。これは、最も要求の厳しいe-モビリティ用途において、ARMファイバーレーザ溶接のユニークな利点を生産に導入する最も迅速で費用対効果の高い方法となります。