ピコ秒マーキングとマイクロマシニングを高速化 

医療機器、高級時計用部品、ガラス、工作機械へのマーキングに対応—Coherent PowerLine PS 30が新登場。

2023年6月20日  Coherent

PowerLine PS 30

 

出力28 WのCoherent PowerLine PS 30により、医療機器、時計部品、ガラス、それから炭化タングステンなど強靱な材料への高精度マーキングアプリケーションにおけるスループットが大幅に向上します。当社最新のエンジニアリングサブシステムには、制御ソフトウェア、認定済みコンポーネントが搭載されているほか、アライメント / 検査タスク用Coherent PartVisionパッケージ統合などのオプション機能も揃っています。ピコ秒レーザならではの高速加工機能と品質が、ナノ秒レーザレベルのスループットで可能になる時代の到来です。

 

ミクロンレベルの分解能で実現する、高精度マイクロマシニング

最大250 µJのパルスエネルギーを切断、ドリリング、彫刻に使用できるというその柔軟性により、マーキング加工がもたらす利点は、高精密マイクロマシニングの領域にも及んでいます。特に、パルス幅が短いため、多くの材料において熱影響部(HAZ)の形成を回避することができます。デリケートな材料でも強靭な材料でも、分解能が数ミクロンレベルの精密マーキングとマイクロマシニング機能が可能です。エッジは鮮明で、材料にマイクロクラックや焦げ、改鋳が生じることもありません。熱による加工屑が出ず、下流での機械的後処理の必要性が減ることから、製造コストの削減にもつながります。 

 

高品質のレーザブラックマーキング

レーザブラックマーキングは、超短パルスレーザによってのみ実現しうるプロセスの中でも、最も重要なものの1つです。ステンレス、チタン、その他さまざまな金属の表面をナノ構造化することで、どの角度から見ても安定して最高のコントラストが得られるブラックマーキングを実現。 熱入力をほとんど伴わないナノ表面改質法により、過酷なオートクレーブ滅菌を何度繰り返しても退色することのない、不動態化処理や腐食に強いマークを生成します。

パルス幅が<10 psであるため、通常はUVレーザ光源が必要になるような、IRナノ秒パルスの吸収率が低い材料にもマーキングできます。たとえば、PowerLine PS 30を使用してガラスにマーキングを行うことで、エッジの欠損を回避できるほか、高精度でのマーキング深さ制御も可能になります。また、炭化タングステン、CBN(立方晶窒化ホウ素)、PCD(多結晶ダイヤモンド)などの硬質材料で作られた、最高レベルに頑丈な工作機械へのマーキング加工も容易になります。

 

強力なソフトウェアソリューション

PowerLine PS 30には、幅広いハードウェアオプションに対応した強力かつ実績のあるソフトウェア パッケージが搭載されており、複雑なマーキングタスクの設計や実行を簡素化することができます: 

  • 新しいCoherent Laser FrameWorkソフトウェアは、すべてのサブシステムコンポーネントを1つのソフトウェア制御のもとに統合し、機械工場システム(Profinet、Profibus)とのインターフェイスの役目を果たす、直感的で使いやすく調和のとれた標準インターフェイスと、優れた接続性を備えています。(Laser FrameWorkは、PowerLine PS 30サブシステムを搭載したクラス1コンプリートシステム、ExactMarkシリーズの制御にも対応しています)。

  • PartVisionオプションパッケージは、Laser FrameWorkソフトウェアプラットフォームと連動させることにより、要求の厳しいビジョンタスクなどの完全自動運転を可能にします。このユーザーフレンドリーなオブジェクト駆動型ソフトウェアにより、オペレーターはワークフロー、パラメータ、可視化、自動化、およびその他アプリケーションの詳細、すべてを1つのソフトウェアプラットフォームから制御できます。

Coherentの各種サブシステムは、すぐに使用可能なソリューションとして設計されているため、製品の市場投入までの時間を短縮し、臨時のエンジニアリングコストを削減することができます。お客様の要件に基づき、当社のレーザアプリケーション専門家のサポートを受けながら、認定済み・テスト済みコンポーネントを使用して構成作業を実行できるため、統合全般にまつわるハードルも下げられます。

Coherent PowerLine PS 30の詳細をご覧ください。