お客様事例

モバイルエキシマレーザでロボットによる
CFRPクリーニングを実現

課題

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、物理的強度と軽量性という非常に望ましい性質を兼ね備えた、ほかにはない複合材料です。 そのため、航空機の製造に特に適しています。 CFRPを材料とする航空機製造で重要な生産手順に、翼や機体などの部分組立品の外表面に保護塗料をスプレーする作業があります。 しかし、成形に使用した金型から各CFRP部品を取り出しやすくするための離型剤では、表面に残留物が残り、後から塗布する塗装や接着剤の接着力を低下させることがあります。 最新の技術では、手作業の研磨と溶液による洗浄を組み合わせており、作業者によって再現性が異なります。 自動化については、コランダムブラストやその他のレーザベースのテクノロジーなど、表面の汚染物質の除去に各種の方法が検討されてきました。 エキシマレーザは、処理速度と表面非接触という最も望ましい特徴を併せ持つと同時に、CFRPファイバーを損傷しないため、この作業に適したツールとして注目されています。 しかし、多くのエキシマレーザは大型で重く、ロボットアームに載せて大きな構造物の周囲を自動で動かすことができません。 それどころか、作業面にビームを当てるために、複雑なビーム伝送光学部品を採用する必要があります。 ドイツのブレーメンにあるFraunhofer Institute for Manufacturing Technology and Advanced Materials IFAMは、ロボットによる自動化に導入できるような、シンプルなエキシマレーザソリューションの開発に取り組んでいます。

ソリューション

Fraunhofer IFAMでは、物理的にコンパクト(650 x 300 x 400 mm)で比較的軽量(66 kg)でありながら、ほかにはない出力特性を併せ持つことから、Coherent ExciStar 1000エキシマレーザを使用しています。 これにより、ロボットアームの先端にレーザを取り付け、必要に応じて3D部品の輪郭に沿わせながら、処理する部品表面上を高速で動かすことができます。 こうした構成には、シンプルでわかりやすい光学技術が求められています。

成果

ExciStarの高繰り返し速度(1000 Hz)とパルスエネルギー(10 mJ)により、ワーク表面上でのレーザビームによる高速処理と連続動作が可能になります。 通常は、CFRP構造物上の各ポイントに、通常2~10発のレーザパルスを当てることで、表面汚染物質を完全に除去できます。 この方法では最大10 m2/hの処理速度を実現できます。 現在、ロボットがサンプルを動かすロボティックオートメーションにレーザ加工とセットアップを適応させており、次の段階ではExciStarシステムをロボットで直接動かすことを目指しています。

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「コンパクトなエキシマレーザシステムが、3D CRFP部品の処理やロボットによる作業へと新たな可能性を開いています。」

— トーマス・ルカシュチク博士、Fraunhofer IFAM

 

 

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