ファイバーレーザを搭載するPerformance手動レーザー溶接機をリリース

Coherentの新しいファイバーレーザベースのシステムは、医療品および航空宇宙産業など、最も要求の厳しい用途で高い精度を実現します。

2021年12月7日、Coherent

手動レーザ溶接機では、金属部品に対して非常に正確で高品質のスポット溶接およびシーム溶接を簡単に行うことができます。通常、ユーザーは、作業空間内で部品をそのまま手で持ち、顕微鏡で見ながら溶接パターンを追跡します。レーザはフットペダルを使用して作動させます。これにより、部品を保持および移動するための工具や特殊な固定具を作成する必要がなくなります。このように本質的にセットアップ時間なしで手軽にシステムを使用できることから、手動レーザ溶接機は、プロトタイプや「1回限りの」部品、小バッチサイズの部品を製造するメーカーや修理作業で非常に広範に使用されています。

ファイバーレーザによる溶接品質の向上

特許取得済みのせん光ランプ励起Nd: YAGレーザをベースとするCoherent Performanceシリーズの手動溶接機は、優れた溶接品質と、ほとんどのユーザーにとって高い付加価値を併せて実現します。そのため、医療機器製造、宝石加工、修理作業、ジョブショップにおいて非常に広範に使用されています。

ファイバーレーザは、Nd: YAGレーザよりも優れた光学的パフォーマンスを発揮しますが、より高価です。しかし、精度、溶接品質、一貫性が極めて重要な用途 (医療機器製造航空宇宙産業など) では、ファイバーレーザにより飛躍的に高まるパフォーマンスは、十分にそのコストに見合う価値があります。こうしたことからCoherentでは、すべてのPerformanceシリーズ手動溶接機にファイバーレーザオプションを追加させていただきました。

使用が容易なファイバーレーザ溶接機

ファイバーレーザの主な利点の1つは、向上したビーム品質です。これにより、システムの焦点深度が高まり、オペレータはより自由に部品を持つことができます。したがって、溶接プロセスはより確実に行うことができ、個別ユーザーに左右されにくくなります。

また、こうした高いビーム品質により、集中型のレーザスポットサイズを調整するために真の集光光学ズームを使用できます。過去の溶接機では、スポットサイズを変更するためにベストフォーカスポイントから部品にずれが生じていました。しかしこの場合システムは、部品の位置のさらなる変化により非常に影響を受けやすくなり、したがって反復可能性が大幅に低下して、オペレータに左右されることになります。当社のズーム光学系ではこうした問題が解消されます。他メーカーの手動レーザ溶接機では、このような機能は利用できません。

 

Coherent集光光学ズーム

 

また、ガウス強度分布ではなく「フラットトップ」なレーザ焦点を持つようにビームガイド光学系を設定しました。これによりスパッタが削減され、より滑らかな溶接が得られます。また、統一された電源供給により、特定の作業に最適な結果が得られる電力レベルをより簡単に確認できます。

一貫性に優れたファイバーレーザー溶接機

ファイバーレーザが持つその他の大きな利点は、せん光ランプ励起Nd: YAGレーザよりもはるかに優れたパルス間の一貫性と長期にわたる安定性を実現することです。また、ファイバーレーザでは事実上パルスは「欠落」しません。それに対してNd: YAGでは、このことが問題になりえます。医療品、または部品の故障により重大な結果が生じるその他の製品を製造する場合、溶接シームが一貫しており、空洞(パルスの欠如)がないという想定が可能であることは非常に重要です。

さらに当社では、一体型電源モニタに対するオプションについて、1歩踏み込んだ改善を行いました。すべての各レーザパルスからのデータがログに記録され、メーカーは溶接プロセスの全トレーサビリティと文書化が可能になります。

また、当社のファイバーレーザベースの溶接機は、溶接対象の特定の材質の温度特性にレーザパルスの波形を一致させる拡張機能をユーザーが利用できます。たとえば、レーザパルスはそのピーク電力に瞬時に上昇するように構成できます。これにより、材質が溶け、溶接プロセスが開始されます。しかし、マイクロクラックが生じない「クールダウン」のために徐々に弱めていきます。

レーザー溶接は、他の関連するテクノロジーに多くのメリットを提供します。手動レーザー溶接機は、短期生産に理想的な運用の柔軟性に加えて、このテクノロジーに対する低コストのエントリーポイントを長期にわたり提供してきました。現在では、ファイバーレーザを搭載するCoherent Performanceシリーズの手動溶接機が、こうした同じ利便性と使いやすさを提供しながら、プロセスの一貫性、歩留まり、信頼性、そしてトレーサビリティを向上させ、最も要求の厳しい用途に対応します。

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