拡張された「Center of Excellence」が顧客にメリットをもたらす

Coherent・グラスゴーは、フェムト秒レーザおよびピコ秒レーザの最先端の量産施設でウルトラファーストレーザオペレーションを統合しています。

 

2023年9月19日、Coherent

Coherent・グラスゴー

Coherentは、すべてのピコ秒レーザおよびフェムト秒レーザの製造を含む、同社のすべてのウルトラファーストレーザオペレーションを単一の場所「Ultrafast Center of Excellence(スコットランド、グラスゴー)」に統合しました。

 

Coherent・グラスゴーは、すでに無駄のない製造に重点を置いた最先端の量産施設であり、この重要な統合に対応するために最近拡張されました。Coherent Monacoのようなフラッグシップモデルのフェムト秒レーザや、RapidおよびHyperRapidシリーズのようなピコ秒レーザはすべて、同じグラスゴーの施設で生産されることになります。

レーザ事業担当エグゼクティブバイスプレジデントのクリス・ドーマンは、次のように語ります。「この拡張されたCenter of Excellenceの変更により、製品間の相乗効果が驚くほど上がるとともに、コンポーネントとプロセスの標準化が可能になり、統合されたリソース計画が実現します。

最も重要なことですが、これは当社のお客様(特に量産OEM)にとって、次のような重要な利点につながります。

  • すべての超短パルス(USP)レーザに対する単一の窓口
  • 製品開発の加速
  • リードタイムの短縮
  • 生産量増加の加速
  • オペレーションの柔軟性
  • その他にも具体的なメリットがあります」

彼はさらに次にように話します。「企業構造のこの大きな変化は、安定性と長期信頼性、運用の簡略化、コンパクトで堅牢なパッケージングなどの点でピコ秒モデルと同等な、今日のフェムト秒レーザが成熟した証拠と言えます。この成熟は、レーザ自体とその用途の両方に表れています。たとえば、フレキシブルディスプレイの切断などの高スループットで24時間365日稼働の産業用アプリケーション、がん細胞分析などのライフサイエンスアプリケーション、およびアト秒物理学などの「本格的な」実験室科学分野などで使用されています」 

 

使いやすく、非常に信頼性の高い、押しボタン式フェムト秒レーザ

これらすべての分野において、フェムト秒レーザは、使いやすく、非常に信頼性の高い、押しボタン式のツールになっており、数年前の工学的な目新しいものとは大きく異なっています」、とドーマンは指摘します。「これまでより小型で、かつてないほど強力になっています。ほとんどのタイプが頑丈な密閉箱形式で、押しボタン式の最先端のパフォーマンスを提供するようになりました」 

これらの特性により、フェムト秒レーザを、24時間365日の稼働が前提条件となるディスプレイおよび半導体産業のアプリケーションを対象とした生産ツールや機械の奥深くに「埋め込む」ことが可能になりました。このレーザは、次世代冠状動脈ステントなど、医療機器製造分野での精密切断にも広く使用されています。 

フェムト秒レーザの出力もスケールアップされており、Monacoの最新モデルでは、赤外線で最大150ワット、紫外線で最大50ワットの出力を提供します。後者は、フレキシブルディスプレイの大量切断を可能にする重要なパフォーマンスランドマークです。

産業用超短パルスレーザの製品ラインマネージャーであるファビアン・ソーレンセンは、アプリケーションの実用性におけるこの進化は、レーザの製造方法の変化と並行して起こったと説明しています。彼は語ります。「今日の超短パルスレーザの重要な側面は、とてもユニークな機能を備えているにもかかわらず、ターンキー材料加工ツールとして成熟していることです。大手メーカーから小規模な作業工場までのお客様は、社内にレーザエンジニアを置く必要がなくなりました。当社のピコ秒産業用レーザやChameleonなどの科学用フェムト秒レーザの量産において、高効率な方法がすでに十分に実証されています。今後、当社のすべてのUSP/ウルトラファーストレーザは、同一の無駄のない製造方法の恩恵を受けることになります」

ソーレンセンは、この統合の背後にあるもう1つの要因は、ディスプレイ業界と半導体業界の両方でMonacoレーザのOEM需要が急成長していることである、と付け加えました。彼は説明します。「これらのレーザは両方の業界で人気があります。フェムト秒のパルス幅と数十ワットの紫外線パワーまたは最大150ワットの近赤外線パワーとを組み合わせることで、最高品質要件が求められる高スループットアプリケーションの上流および下流プロセスと歩調を合わせることができます」

ソーレンセンは次のようにまとめます。「カリフォルニア州サンタクララでこれらのレーザを製造し、これまで大きな成功を収めてきました。今こそ、生産をスコットランドに移すのに最適な時期です。スコットランドには、非常に高いユニット間の整合性が備わり、生産を強化するための技術と専門知識が整っています。当社は、製品の信頼性と全体的なパフォーマンスを向上させながら、OEMのお客様が求める柔軟性を提供し、その結果として、科学的好奇心を今日の産業の礎へと変化させることができます」

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