顕微鏡検査用照射ソリューション

ファイバー出力光源も備えたCoherent CellXは、顕微鏡検査に最適なユニバーサル光エンジン。

 

2024年1月16日Coherent

CellX:すぐに使える顕微鏡検査向けソリューション

顕微鏡検査は、芸術活動によく似た作業で、作業中には、適量のエネルギーを生体試料に与え、壊れやすい試料を安定させる必要があります。エネルギーが足りないと細部まで検査できず、多すぎると被検体を傷付ける恐れがあります。この分野では、用途に特化したソリューションでなければ実現できない精度が求められています。

現在Coherentでは、すぐに使える顕微鏡検査専用レーザエンジンであるCoherent CellXの導入を通じて、業界をリードするライフサイエンス分野向けレーザシステムの拡充を図っています。

当初はフローサイトメトリー用として設計したCoherentの拡張版CellXプラットフォームは、現在、フローサイトメトリー、自由空間出力用途、顕微鏡検査用ファイバー出力光源の導入から成る3つの用途に対応しています。

顕微鏡検査用CellXは、4つある波長(405 nm、488 nm、561 nm、640 nm)のどの場合でもビーム径が0.7 mmのレーザを出射できる設計となっているため、レーザの色(波長)により自然に焦点が変わってしまうという、顕微鏡検査における根本的な課題にも対処できます。ビーム ステアリング機能と望遠鏡調整機能も備えた CellX を使うと、ビームの拡がり (発散) 角を緻密に制御できます。 

CellX は、ファイバー出力にも対応できる画期的な設計で、単一のファイバー内に 4 つのレーザ アレイ (各レーザは 100 mW) を設け、用途に応じて最適な出力レーザの透過率が維持されるよう調整します。 

緻密で解像度の高い画像の生成が最重要である神経科学分野向けの製品においては、ファイバー出力を通じて出力透過率を最適化および維持できる機能が不可欠です。ファイバー出力対応の CellX は、透過率低下を招かない出力および明度のレーザを出射し、科学者が、かつてない緻密さや明瞭さで神経構造を照らし、観察することを可能にします。 

 

CellX:すぐに使える顕微鏡検査向けソリューション

顕微鏡検査向けCellX光エンジンは、カスタマイズに必要なエンジニアリングの負担を大幅に軽減し、確かな性能を備えた商品の、構想から商品化に至るプロセスを短縮します。また、すべての波長にわたってビーム直径を0.7 mmに標準化することで、合理化されたファイバーカップリングを実現します。

CellX は、波長が長いほど拡がるビーム径を管理できる機能を備えているため、粒子や血球の正確な測定に欠かせない、きわめて一貫した焦点スポットサイズを維持できます。ビームの焦点をフローセルに合わせることに特化した設計の対物レンズによりその精度が各段に向上した CellX は、ビーム調整、ビーム結合、用途 (被検体) への焦点合わせを管理できる汎用 4 レーザ エンジン ソリューションとなっています。

効果的な画像処理を実現するため、Coherent の新しい顕微鏡検査用レーザ エンジンは、コリメート光出力と FC/APC 出力用のいずれかを選択できるファイバー出力オプションを備えています。顕微鏡検査用途に最適なファイバー出力は、結合レーザ出力を効率的な経路で顕微鏡に直接入力し、画像処理の効果を高めます。

顕微鏡検査に特化した技術を備えたCellXは、高度な制御機能、熱管理機能およびパッケージングを含むクラス最高の性能を誇る製品となっており、複数のレーザ、出力光源、望遠鏡、ビームコンバイナーといった個々の構成要素を個別に組み立てることなくライフサイエンス分野での顕微鏡検査にお使いいただけます。箱から出せばすぐに使えるこのプラットフォームは、CellXプラットフォームのようなすぐに使えるソリューションがなく自前のシステムを構築して顕微鏡検査を実施することの多い、多くの単科大学、理科学研究組織および総合大学においては特に価値あるものです。

 

かつてない精度:顕微鏡検査に欠かせない、被検体の正確な照射

顕微鏡検査用 CellX は、緻密で正確な被検体照射が最も重要である顕微鏡検査や他の用途におけるレーザ光出力を全く新しい形で実現する製品です。多くの用途では、熱源となる機器を繊細な試料(被検体)に近づけることができないことを踏まえ、CellXのファイバー出力光源では、できるだけ簡素な構造を実現しています。この光源を使うと、レーザ光源を顕微鏡筐体の下に保持する方法で熱を効果的に管理しながら、レーザ光を被検体に直接照射できます。

顕微鏡による被検体のみの照射が可能にする CellX は、ファイバーを差し込むだけで使える便利な設計で、顕微鏡検査だけでなく、離れた場所へのレーザ光照射が必要な幅広い用途にも対応しています。

CellX なら、必要に応じて性能を最適化できるようレーザ ビームやファイバー出力を調整できます。

 

「OBISレーザ搭載のCellXは、確かな品質と信頼性を誇る調整可能ビームコンバイナーにより、4つのレーザが、各用途に適した性能を発揮します。ファイバー出力には、一定の時間にわたり信頼できる出力を維持するために必要な、合計で 400 mW に達する入力の取扱いの面で課題を抱えていますが、Coherentのファイバー出力は、エンドキャップやモスアイ技術を用いて卓越した出力処理や信頼性を実現するファイバー出力設計を採用し、この出入力を上手く処理できる定格の製品に仕上がっています」

- Coherent のレーザ担当シニア プロダクト マネージャーであるDaniel Callen

 

 

3つのレーザエンジンが研究者の作業を効果的に支援

3 つのレーザ エンジンが研究者の作業を効果的に支援

CoherentのCellX顕微鏡検査用レーザ エンジンは、最高クラスの市販レーザとすぐに使えるソリューションを組み合わせた、卓越したレーザ出射エンジンです。きわめて高度で正確な機能を必要とするライフサイエンス分野での顕微鏡検査に特化した波長制御機能、ジオメトリ アライメント機能、ビーム結合機能を備えたソリューションを活用できます。

Coherent の新製品は、フローサイトメトリー、自由空間出力用途および顕微鏡から成る、多波長レーザを必要とするあらゆる用途に対応できる CellX プラットフォーム シリーズ製品の完成形です。製品を使うお客様のニーズを念頭に置いた用途特化型の設計には、研究者の作業を簡素化することを目的とする Coherent の取組みが体現されており、お客様の現状の課題に対する迅速なアプローチを提供します。

CellXGalaxy ならびに Coherent レーザ エンジンのフル ラインナップについては、各リンク先にてご確認ください。

 

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